高い技術力で高効率・高性能・コンパクト化を実現した排煙脱硫設備
排煙脱硫装置は、水酸化マグネシウム法排煙脱硫プロセスによりスケーリングトラブルなしに95~99%の高脱硫率の性能※を持っています。 この高効率高性能の排煙脱硫設備を、当社は国内外100基以上納入しています。また、湿式電気集塵機との一体化により省スペース化を実現しています。
※第一吸収塔、第二吸収塔、湿式電気集塵機の組み合わせた場合。
主な特徴
- 独自開発の気液並流STA式吸収塔で高効率・コンパクト化を実現
- 硫黄酸化物(SO2)の除去率最大99.9%の高性能を実現
- 硫酸ミスト(SO3)の除去率50%以上を実現
- 湿式電気集塵機との組み合わせにより以下を実現
―99%以上のSO3除去率
―99%以上のばいじん除去率
―高ダスト濃度(10g/Nm3以上)の排ガスに対応が可能 - 装置・配管内にスケーリングが少ない
- 冷却減湿と温風によって省エネルギーで白煙発生を防止
第一吸収塔 | 第二吸収塔 | 湿式電気集塵機 | |
---|---|---|---|
型式 | トレイ塔 気液並流下降流式 |
充填塔 循環液冷却式 |
セル型 (垂直流) |
標準方式 | 多孔板(MNA) <固定板> |
冷却減湿式 |
効率:~90% 極板長さ:2.0~2.5m |
改良方式 |
スイングトレイ式(STA) <開口部スリット式> <可動式> |
冷却減湿式 |
効率:~99% 極板長さ:5.0~6.0m |
特徴 | 高ダスト濃度でも 付着・閉塞しにくい |
粒子成長方式 | ・高性能 ・集塵極板製造方法の進歩 |
排煙脱硫設備は、第一吸収塔(STA)、第二吸収塔(充填塔)および湿式電気集塵機(W-EP)が一体構造となっています。
吸収液を中和する脱硫薬品として通常、水酸化マグネシウムを使用します。
第一吸収塔で排ガスおよび循環吸収液は塔上部より並流でトレイ部を通過し、ここで混合・接触し脱硫・除塵が行われます。
従来のトレイは多数の丸い穴があいた固定されたものでダストやスケールで詰まることがありました。
TPSではこれらの問題を解決するため開発されたスウィングトレイを使用しています。
スウィングトレイはダストの多いガスや液に対応し、且つ、SO2除去率が高く、通常の吸収塔では除去できないSO3除去にも
対応しています。
続いて排ガスは第二吸収塔に入ります。
排ガスは第二吸収塔で冷却された循環液と接触し、冷却されると共にSO2が吸収除去されます。
冷却により、微細なダスト・硫酸ミスト等の粒子は水滴と結合して成長し、粒子が大きくなる事でW-EPで捕捉されやすくなり、集塵効率が上がります。
W-EPは垂直縦置のセル型です。
従来効率90%程度でしたが、極板の長さを長く製造できる技術が開発され、極板長さ5~6mとなり、集塵効率も99%以上可能です。
排ガスは最初に第1吸収塔、スウィングトレイアブソーバー(STA)に入り
水酸化マグネシウム法による脱硫が行われます。
STAでは左の模式図のようにダストを含むガスと循環吸収液が上から下へ
並流としてスリット部分に入ります。
そのスリット部分は、ここがいわゆるスクラバーになっていて、
ガスと液が完全に混合されガス中のSO2の吸収とともにSO3ミストやダストも除去されます。
右の写真がSTAです。STAは通常3段でセットされます。
トレイはピンの上にセットされガスの流れで細かく振動しているのでダストは堆積しません。
第二吸収塔は、充填層式でSO2除去の仕上げを行い、SO2濃度10ppm以下に下げることも可能です。SO3(硫酸ミスト)は、湿式電気集塵機で除去され、煙の外観をよくするため出口濃度1ppm以下にすることも可能です。