電気集塵装置

さまざまな要素技術を集約し、
長期間安定稼働を可能にした電気集塵装置

電気集塵装置の性能の決め手は、さまざまに変化するダストに応じて最適かつ安定した放電および集塵を行うことにあります。 TPS式電気集塵装置は、さまざまな用途において長期間安定して稼働させるため、ケーシングや内部構成部品の耐食性や耐摩耗性、ガスの温度による熱応力、また捕集ダストのスムーズな排出を行うための粉体・流体力学を含め、さまざまな要素技術が集約されています。さらに、主要構成部品の放電極、集塵極および直流高圧電源装置などは、高電圧工学の中の静電工学に基づき、その構成部品の形状や強度などを検証し、培ってきました。当社は、この高い技術力をもとに、50年間に500基以上の納入を達成し、TPS式電気集塵装置技術として確立してきました。
高効率、保守点検の簡便さ、安全性に配慮した設計、そして省電力構造もまた、TPS式電気集塵装置の強みです。
主な特徴
  • 高い集塵効率と長期の安定稼動 独自設計の放電極と集塵極
  • 効率的な電力消費 自動電圧制御装置の採用
  • 簡単な保守点検 外部から検証できる構造
  • 安全性向上 高電圧の荷電部分のインターロック
集塵効率最適化のため、培われた技術
  • ダストイオン化 多種多様な粒子への緻密な分析にもとづく適正な設計構造
  • 再飛散の防止 集塵極や放電極を適正にクリーンにするノウハウ
  • ガス分散化 スケールモデル検証にもとづく、ガス分布を均一化する構造設計
  • 荷電技術 電圧波形や電流値の変動への適切な制御システム
乾式電気集塵装置・フロー

電気集塵は、静電気力を応用した集塵方式で、放電線と集塵板 から構成されています。 放電線には高電圧が印加され、集塵板との間に電界を形成するとともに 放電線の周囲のガスを電離してイオンを供給します。
集塵板と放電線の間に煙霧体(ダスト・ミスト)を含むガスを流すと、 ガス中に含まれる煙霧体粒子はマイナスイオンで帯電します。
煙霧体は、プラス極の集塵極板へクーロン力によって移動・捕集され、 電荷を失い自重で下部ホッパへ落ちます。
集塵板に捕集した煙霧体粒子は、集塵板から水で洗い流す(湿式)、または集塵板を叩いて落とし(乾式)、下部のホッパから装置外に排出します。

納入実績

国内外で500基以上の納入の実績があります。

セル型湿式電気集塵機

集塵極板を角型ボックスセルとし、放電線をセル内に吊り下げたタイプの集塵機です。
集塵効率は最大で99%を有し、セルは、連続洗浄によりメンテナンスが容易です。

主な特徴
  • 高い集塵効率
  • メンテナンス・フリー集塵極板がセル型のため堅牢
  • 省スペース設計集塵極板をセル型とし集塵面積を確保しコンパクト化を実現
    平板形に比べ、約1/2の設置スペース
  • 長寿命 自動洗浄により20年以上の長寿命
  • 排ガスの紫煙対策排ガス中のSO3 ミストを高効率除去
  • コークス炉ガス等の可燃性ガスの対応実績あり
セル型(正方形型)の4面の集塵極板を配置し、セルの中心に 放電線がセットされた構造です。 粒径が小さい排ガス中の、ミストやダストは集塵極板に 付着するため、洗浄用スプレイノズルからの散水で 流れ落とします。
放電線はチタン製またはステンレス製で重錘を吊り下げた構造です。
重錘は、ボトムフレームで固定されています。
集塵極板は、炭素繊維強化プラチック製(C-FRP)で、 導電性、耐熱性、低熱膨張率、耐食性、軽量などを併せ持つ 優れた材料を使用しています。
洗浄用スプレイノズルは、集塵極板上部および下部に 設置されており、極板上部および下部は大量の水で 間欠洗浄(荷電を停止して洗浄)する方式を採用しています。
下部の整流板は入口排ガスを均一に分散させます。
集塵極板の上部
集塵極板の下部

これはセル型湿式電気集塵機内部の写真です。
放電線が重錘で吊りさげられボトムフレームにより振れない構造です。

W-EP出口の煙突排ガスの外観について荷電をしている時と、荷電を停止している時の違いを示した写真です。
左側が荷電停止中で、SO3ミストが20~30ppm発生しており、水蒸気による白煙とその後にさらに薄い色の棚引きが見えます。
右側が荷電中でPlumeが消えています。この写真は夏で気温が30℃くらいの時ですが白煙も見えないような状況となっています。
なおこのプラントでは煙突の下に吸収塔があり、後からこのW-EPを設置し、ダクトで入口・出口を接続し紫煙対策を行ったもので、計画通りの結果が得られました。

乾式電気集塵機

放電極と集塵極板に付着したダストを槌打装置により払い落とす方式の電気集塵機です。
洗浄水を使わないため、洗浄水処理装置が必要ありません。

  • 簡単なメンテナンスで長寿命を実現駆動部分がダストと接触しない独自設計
  • 高電圧と効率の良い放電電極を放電線とマストに機能分化したマスト型放電極
  • ダストの飛散を極力防止チャンネルにポケット部分を持たせることで実現
排ガスはガス分散を良好に行うため、格子状のスプリッタとディストリビュータで整流し、 集塵能力を上げています。 放電極から発するコロナ放電作用によりガス中の粒子(ダスト)を帯電し、 静電気の力によりダストを集塵極板に捕集します。 放電極、集塵極板に付着したダストは、良好な放電を得るために、 上部の槌打装置により打ちつけた振動により払い落としています。